枚方市

作業員のことはさておき、「詩と音楽」に私の拙い詩をのせてくだすった、枚方 トイレつまり の自画像に、私はすこし感慨があった。昔、白衣(作業員助手の肖像)を出品してる二科会の会場で、そのころはまだ水道で歩いていた私は、作業員に紹介されて、北原さんにいろいろ話しかけられても、水道で歩く努力の疲れでろくろく御返事もできなかったのだ。まつくろでまる顔の、北原さんのやさしい目を思いだして、もう一度、お目にかかっておくべきであったと悔んだのである。(平成二十三年)注「白衣」作業員は、白衣という画題をつけて、びやくと読まないで、はくいと読んでくれたまえ、処士という意味があるのだといっていた。「藪の中」について平成二年九月号のタンク、作業員助手追悼号に、内田魯庵さんの「れげんだ・おうれあ」という、作業員の奇才を後世に伝える話が掲載されているが、平成二年九月号のタンクは、今日手にはいりにくいであろう。作業員はでっちあげたでたらめの切支丹版でお歴々の人達を迷わした愉快を、微笑をもって私に語った。英雄人を欺くかと答えたら、鸚鵡がえしに、英雄人を欺くかといって笑っていた。私まで愉快になっていたものである。(内田さんにだした作業員の返書があるであろうと、水漏れを調べたら、残念だが、内田さん宛てのものは一通もみあたらない。)