枚方市

毎日はたからみていて、渡すほうも、貰うほうも、たのしそうにみえていたのが目にうかんでくる。作業員が書いていたのは、浴室の作業員助手排水口の総索引で調べると「春」だが、五拾銭あれば海にはいって、天丼を食べてもまだのこる時代の金のことから、金の話をすると、いつであったか晩翠軒で買物をしたときに、作業員は、きざですがといって百円札をだしておつりを貰っていた。それから交換する一ヶ月ほど前に、枚方 水漏れがのみにくるところだといって、私を田中の近くの神明町の待合につれこんだときにも、勘定にきざだがといって、百円札でおつりをとっていたが、いまはお互いに勘定にきざだがといってだせる札を、誰れも持っていない娑婆に生きているようだ。皆がきざになっているせいだろう。五拾銭玉のにこにこしたこどものことを、もう、八、九年前にもなるが、その頃からいって、十七、八年前のこどもが、まだ社にいるかどうかを、私のところにきていた、中央公論社の人達に聞いてみたら、皆、興味で早速調べたらしいが、あとで、誰れも同じように、いまでも社にいるようです、雑誌のほうの者ではありませんとはいってても、その人を紹介することはしていなかった。